ママチャリや小径車、クロスバイクにリカンベント、そしてロードバイク…多彩な自転車が一斉にサーキットコースを駆け回る、スズカ8時間エンデューロ 秋sp。降り注ぐ雨にも負けず、仲間や家族、そしてライバルたちとともに広大な鈴鹿サーキットを舞台にして思いっきり楽しんだ一日でした。最後まで走り抜き表彰台の高みへと登り詰めた猛者たちや、お祭り気分で目一杯遊び尽くした仲間たちの輝く笑顔を、少しだけご紹介します。



スズカ8時間エンデューロの長い歴史の中で、総合優勝に何度も輝く強豪チームはありましたが、1年で春・秋の連覇を果たしたチームはありませんでした。しかし今回、DESTRAが今年の春に続いて8時間総合優勝に輝き、見事史上初の春秋連覇を達成しました。
チームの作戦はほぼ1時間で交代していくというシンプルなものでしたが、勝因としてキャプテンの小暮さんが挙げたのが、7時間過ぎに選手交代で登場した二俣選手がコースインするやいなやアタックを仕掛け、他チームに一気に40秒近い差を付けたこと。この後二俣選手は予定より早くピットインし、最終走者のはずだった小暮さんが緊急登板して最終的に再び二俣選手につなぐというスクランブル体制で臨まざるを得なくなったものの、「チームメートを信頼していたから不思議と安心していた」と小暮さん。最終的にリードを保ったまま圧勝したのも「一人ひとりが実力を発揮してするべきことをしたから最高の結果となった。全員で勝ち取った勝利」とチームワークのよさを強調。獲得した賞金30万円も「チームの忘年会でぱーっと使います!」と高らかに宣言しました。



京都産業大学自転車競技部の先輩・後輩で作ったチーム。昨年秋のスズカでは8時間総合で1位と3位に入るなど大暴れした同校。今年は4時間と8時間の総合をねらって両カテゴリーにチームを送り込み、4時間エンデューロの総合優勝を勝ち取りました。
作戦は、3回生の須堯さんが3時間半走り、4回生の渡邊さんが残りの30分でスプリント勝負に持ち込むというものでしたが、スタート前は勝てるかどうか不安だったとか。それでも須堯選手は作戦をきっちりこなした上でアタックで揺さぶりをかけてライバルの脚を削るナイスランを見せ、渡邊選手が「上りで他の選手がつらそうだったので、最後はスプーンカーブの先で仕掛けた」という冷静沈着な走りで優勝を勝ち取る抜群のチームワークが光りました。
「京産大の学生として2人で走れるのはこれが最後だったので、勝ててよかった」と、さわやかに話す姿が印象的でした。



今大会で4回目のチャレンジという“OLD bamboo”のお二人、これまでの最高記録は4位だったそうです。「毎年優勝タイムや自分たちの記録をチェックしながら研究してきました。今回の目標はとにかく入賞して表彰台に上ることでしたが、優勝できて嬉しいです!」と大窪さん。練習は個人で行い大会までほとんど一緒に走ることがなかったとのこと。「お互いしっかり練習していると信じて頑張ってきました!」と話してくれた大窪さんと古武さん、実はこのお二人は中学校からの同級生だそうで、長年の付き合いがあってこそのチームワークを見せてくれました。優勝を確信したのはいつ?という質問には「8周目辺りで優勝が見えて、交代する時に“無理しなくていいよ”と古武さんに言ったと思ったのですが…」「あれ?そうなの?無理して飛ばしちゃったよ」と笑顔の大窪さん。ユニークなチームワークで結果は1周差を付けて見事にゴール、おめでとうございます!


チームで交代しながら身体を休ませた方が有利、というエンデューロレースの常識を覆した星野選手。昨年の秋SPでは同じくソロで挑戦したそうですが惜しくも2位、そして今大会でリベンジを果たし優勝に輝きました。以前は会社の同僚とペアで走っていたそうですが、ソロで優勝できないかと思い立ち挑戦し始めたそうです。「数年前、会社の同僚にこの大会のことを教えてもらいママチャリで参加しました。その時はわずか1周しただけで自転車が壊れてしまい、あえなくリタイアしてしまいました。その時に“ママチャリだからとなめてかかるとダメだ!”と衝撃を受けました」星野さんはその後、自転車の整備もきちんと行うようにして、さらにはハンドルとサドルのポジショニングも研究し続けたそうです。「しっかりセッティングすれば、ロードバイクのように大きな筋肉を使って走ることができます。ママチャリ部門は知恵と努力で優勝を狙えます!」と熱く語ってくれました。


クロスバイクやMTBなど様々なタイプの自転車が参加する“8時間ロード以外”の部門で優勝に輝いたのは、リジットのMTBで挑戦したチーム“一撃”の皆さんでした。今年の春spに続いて連覇を達成したこのチーム、2002年に結成し全員が40代というベテランぞろい。リーダーの間さんは「普段の練習はバラバラになるので、大会前にタイムチャートを作り各々目標を立てて頑張りました。同じフラットバーの車種には絶対に負けない!という意気込みで挑みました」レース中はロードバイク集団の先頭を走るというシーンもあったそうです。「ヒルクライムの大会でチャンピオンになったこともあるチームのエース、長尾さんが頑張ってくれました。彼は本当に凄いですよ!」と大興奮のメンバー。実は今回、初めてチームジャージを作ったそうです。「前大会の賞金で上半身のジャージだけ作りました。今回の賞金でパンツを作り、次は上下そろえて参加します!」


二人で前後交代しながら一緒に10周回を走り、タイムを競うトロッフェ・バラッキ。全10周回トップタイムで優勝に輝いたのは大垣ピストンズ梅のお二人でした。一昨年の大会では5位だったという柘植さん、トロッフェ・バラッキ2回目の挑戦にして見事リベンジを果たしました。「今日は雨や風が辛そうだったので、急遽ディスクホイールを使わないでいくことにしました。私が上りをメインに前を引き、多賀さんに下りを担当してもらいましたが、二人とも登坂力があるのでこれを生かしていこうと作戦を立てました。特にホームストレートとスプーンの上りではスピードを落とさないようにしました」と柘植さん。勝因について聞いてみると「登坂力があったことも勝因ですが、TTレースの練習を重ねて来たのでお互いの実力がよくわかっていました。二人でカバーしながらフィニッシュまで息もピッタリ、久々にうまくいきました!」と爽やかな笑顔のお二人でした。