向川尚樹の実走レポート

暑さ対策は怠りなくレースに臨めましたか? 最大の敵は発汗による脱水症状。

第7回スズカ8時間エンデューロ春sp、お疲れ様でした。当日は、湿度が80%を超える蒸し暑い中、大会が幕をあけました。朝から正午にかけて気温は上昇し、4時間エンデューロがゴールを迎える頃には、コース内は路面からの照り返しもあり夏の様に感じました。午後からは、天気が一転し曇り空。ゴールを迎える頃には雨が降り出しました。朝からずーっと走ってヒートアップしていた体には恵みの雨となったのではないでしょうか。僕自身も雨のお蔭で後半も良い調子で走れて、休憩は昼食時のみで約7時間走行し280km走る事が出来ました。リザルトを見ても、4時間(アタック120)・8時間(アタック240)共にトップは平均42km/hほどで走行していて、8時間の選手は後半の曇り空のお蔭で、ペースダウンも最小限に留まり好成績に繋がったと思います。

しかし、午前中の暑さにやられた選手も多かったのではないでしょうか。レース終了後の報告によると、脚の痙攣がおこり登り坂で転倒された方や、動けなくなった方が多かったとの事です。なった方は、「練習不足や〜」、「張り切り過ぎたかな〜」と思っていませんか?勿論、レースという事でアドレナリンが出て筋肉を酷使し過ぎたという事が要因に考えられますが、それだけではありません。多量の発汗(脱水症状)を伴った時にも痙攣を起こしやすくなります。

かくれ脱水症状に細心の注意を

まず、痙攣はなぜ、起こるのか?運動中、筋肉は筋肉内部のカリウムやマグネシウム・ナトリウム・カルシウムなどのミネラルの働きによってスムーズに動く仕組みになっています。それらが、汗と一緒に体外へ排出されると、筋肉内のミネラルバランスが崩れて筋肉はコントロールを失い異常収縮し、痙攣を起こしてしまいます。
また、水だけの補給は脱水症状を促進させ痙攣しやすくなります。

発汗で水分とミネラルを失った所へ水のみを補給すると、ミネラルの濃度が薄まります。そうすると、身体はミネラル濃度を元へ戻そうとし、尿で水を体外に排出して濃度を保とうとします。結果的に体の保水量が減る事になり、脱水症状を引き起こします。また、血液はドロドロになり、痙攣の原因にもなります。そして、アルコールやカフェインも利尿作用があるので、前夜のアルコールやレース前、レース中のカフェイン摂取も気を付けないといけません。

更に、ここ数日気温の高い日が続いていました。普段から水分&ミネラル補給をしていましたか?
気を付けていないと、走る前から脱水症状気味だったり、ミネラル不足気味だったりしている可能性があります。これを「かくれ脱水症状」というのですが、これからの時期は特に気を付けたいですね。


水と一緒にミネラルを摂取することが痙攣を防ぐ

痙攣を防ぐ為、そして脱水症状を防ぐ為には、水と一緒にミネラルも摂取しなくてはいけない事は分かって頂けたと思います。では色々なドリンクが販売されていますが、どれをどのように使えばよいのか?
ドリンクには大きく分けて、水分補給用とエネルギー補給用があります。エネルギー補給用にはデキストリン(炭水化物)や糖が多めに入っています。これを水分補給として飲んでしまうと、炭水化物を過剰に摂取してしまう事になり、消化が追い付かずお腹がタポタポになってしまいます。スポーツ用のドリンクなら何でも良いのではなく、状況に応じて使い分ける事が重要で、今回のレースは発汗が多かったと思うので、水分補給用のドリンクの割合を多くする必要があったと思います。

水分補給としては、梅丹の電解質パウダーがお薦めです。余計な糖や炭水化物が含まれていないので、レース中に大量に飲んでも素早く吸収され、お腹がタポタポになりません。何よりミネラルも含まれているので、排出された分を補うにはバッチリです。皆さんが使っているドリンクは何用ですか?普段はあまり気にして見ないパッケージの成分表を一度チェックしてみて下さい。

また、レース前のコンディショニングの1つとして数日前から「ウォーターローディング」をおこなうと、身体の保水量を満水状態でスタートをきれるので、暑い日でもパフォーマンス低下が最小限で抑える事が出来ます。
これからのシーズン、更に水分補給が重要になってきます。上手に水分補給をして夏のレースを乗り切りましょう!