「スズカ8時間エンデューロ秋sp」いかがでしたでしょうか!?僕たちマトリックスチームも2日間、みなさんと一緒に走らせていただきました。レース後、スピードメーターを見ると2日間で500kmオーバー。しかも、各カテゴリーのトップで走られている方々は、レース途中のラップタイムが7分台に入るというハイレベルな戦いをされていました。おかげ様で、月曜日はフラフラでした。みなさんも筋肉痛だったのではないでしょうか!?そろそろそんな筋肉痛も治り、気持も落ちついてきたところで反省会といきましょう。
今回も残念ながら転倒事故がありました。怪我された方は大丈夫だったでしょうか!?僕も2日間で2件、転倒事故に遭遇しました。1件は30mくらい前方で5人くらいの方が絡む事故、もう1件は僕のすぐ前の方が、ヘアピンでスリップによる単独事故です。どちらの事故も先頭で起きた事故です。今回の反省会は実際に僕が見たこの2件の事故をテーマに、僕的に見解し、改善ポイントをアドバイスしたいと思います。



まずは、5人くらいの集団落車からいきたいと思います。この事故はダンロップから下っていき、S字コーナーに入って行くところで起きました。レースはまだ中盤で50人くらいの集団で起こった事故です。緩やかなコーナーに3列で突っ込んでいき内側にいる選手がフラついてハンドルが絡んだように見えました。なぜ起こったのでしょうか!?

(1)まだ中盤なので上級者、中級者の方が混ざり合っている状態。
(2)あの時点で無理をして外から追い抜いていく必要があったのか?
(3)少し風があり、コーナーリング中にフラつく可能性があった。


この3つがあの事故の原因ではないかと僕は思います。ではどうすれば防げるのでしょうか!?

(1)の状態がなぜ危険なのか、それは中級者の方に多いのですが、キョロキョロと横を見て、その度に自転車がフラ付いていることが非常に多く見受けられました。横に選手がいると気になり、「自分はちゃんと集団の中で走れているのかな?」という不安感から横や後ろを見てしまうのでしょう。下りのコーナー中にそんな事をしたら、危険ですよね。集団走行は前の選手と同じライン、同じペースで走るだけでOKです。

僕もよく先輩から「キョロキョロすんな〜!前だけ見て、横見る暇あったらペダル踏め!」と怒られた事を覚えています。ムチャクチャなセリフですけど、確かにその通りなんですよ。強い選手は前だけ見てレースに集中していますから、一度次回の8耐の時にでもトップで走っている選手を見て下さい。

(2)は、なぜ無理をして足を使って前へ出る必要があったのか?選手交代の為の位置取りでも、無理な追い越しはやめましょう。下りのコーナー+風という状況は危険度が高いです。そんな状況で追い越し禁止というルールはありませんが、選手同士その場の状況を把握して、危険な状況を作らないようにしましょう。

(3)の改善策としては、試走をしっかりしましょう。どこでどのような風が吹いているのか、またコース上に穴はないか?このコーナーの限界スピードはこれくらいかな、など予測しながら走りましょう。そうすればレース中にビクッっとすることが減るはずです 。


では、次にヘアピンの事故にいきたいと思います。この事故はレースの最終局面でゴールまであと1周半というところで、1人で逃げている選手が単独で落車しました。原因はスリップです。なぜ起きたのでしょうか?原因は2つ考えられます。

(1)ヘアピンはアスファルトが剥げているところがあり他のコーナーより滑りやすい路面になっている。
(2)焦ると失敗する。



(1)これは先ほどの(3)と重複しますが、試走時にチェックが必要です。レース後、マトリックスの選手同士で話していたのですが、みなさんヘアピン攻めすぎです。危険なコーナーはタイヤのグリップに少し余裕を残して曲がりましょう。あのコーナーは雨だとメチャメチャ滑りますから気を付けて走りましょう。

(2)焦ると失敗します。転倒された方もそれまでは綺麗にコーナーリングされていました。転倒された周回は少しでも速く加速したいと思われたのか、アウト側に余裕があったにも関わらず、タイトなラインでコーナーを抜けようとされて、前輪が滑った感じに見えました。気持ちにワンクッションを心がけましょう。

今回はかなりピンポイントな例を挙げての反省会となりましたが、みんなが安全に走る為には必要なことだと思います。おかげ様で8耐も10回を超えました。毎回、僕たち以外にも招待選手が走っていますが、実はまだ招待選手の落車は0件です。別に僕たちは特別な事をやっている訳ではありません。前回のコラムやここに書いていることを守って走っているだけです。目指すは事故0件のレースです。みなさんの、安全な走行と、クリーンなレースで参加者全員が笑って帰れるレースにしましょう。よろしくお願いします。