2011スズカ8時間エンデューロ秋スペシャルお疲れ様でした。天気の方は2日ともお世辞にも良かったとは言えませんが、天気予報で予想されていた天気よりマシだったので良しとしましょう。みなさん目標としていた周回数または着順は達成できましたでしょうか?「あ〜もうちょっと練習しといたらよかった」と思った方が多いのではないでしょうか?義理の兄も4時間を走っていたのですが、ゴール後その様な事を言っていました。次回大会では更にゴール後の充実感を味わえるように、目標を設定してチャレンジしてください。

今回も残念ながら転倒事故がありました。私は土曜日の3時間と、日曜日の4時間のクラスを皆さんと一緒に走らせて頂きました。そこで気が付いたのは、スリップによる単独の転倒が多い事です。良い発見もありました。集団の中で接触による転倒が以前より減っているように思えました。これは非常に嬉しい事です。皆さんの声掛けや、安全走行のご協力があったからだと思います。ありがとうございました。このスリップによる単独転倒をなくすことができれば、レース中の事故を限りなくゼロに近付ける事が出来ると思います。では、どうすればよいのでしょうか?前回までは走行中に注意する点を中心に書かせて頂きましたが、今回は自転車のセッティング、つまりレースがスタートするまでに注意する点について書かせて頂きたいと思います。


自転車のセッティングと言っても、スリップを防ぐ為の事なので基本的にはタイヤの話になります。では、何をセッティングすればよいのでしょうか?それは、次の3つになります。(1)タイヤの選択、(2)空気圧、(3)タイヤの状態です。みなさんは気にした事ありますか?私が今回、スズカを走った例を揚げますと。

(1) パナレーサーのRACEtypeD
(2) 7.5気圧
(3) 今年の6月に装着してレースのみ使用。走行距離は約500km。保管時はホイールバックに入れて保管。タイヤにひび割れ等なし。


という状態です。
なぜこれが重要な事なのでしょうか?それぞれについて説明します。

(1)はレース用のハイグリップタイヤになります。パナレーサーの場合、レース用タイヤには《typeD・typeA・typeL》と3種類あります。それぞれに特徴があり、typeDの場合は、ハイグリップ・耐パンク性能が高いタイヤになります。(詳しくはHPを見て下さい)各タイヤメーカーにはレース用のハイグリップタイヤとトレーニング用タイヤ、そしてその中間といった具合に価格帯の違う3種類くらいのタイヤがラインナップされていると思います。同じメーカーなら単純に値段の高い方が良いタイヤになると思います。メーカーさんも「このタイヤは値段安いのでちょっと滑ります。」とは言えませんからね。我々は値段で判断するしかないと思います。僕はパナレーサーの高価なタイヤから安価なトレーニングタイヤまで使用した事があります。やはり、高価なものは良いです。乗り比べるとはっきりわかります。高価なものはハイグリップ・軽量でパンクしにくく、乗り心地がよい上に良く進むタイヤです。練習はコストを考えて安価なタイヤでトレーニングをして、レース前に安全性を考えてレース用の良いタイヤへの交換をお薦めします。

(2)晴天で路面が乾いていて滑る心配がなければ8気圧でいつも走っています。しかし、今回は路面が濡れていて滑りやすい状態でしたので7.5気圧にしました。なぜ空気圧を変更するのでしょうか。次のような変化が起こります。

これらの空気圧を調整する範囲はタイヤのサイド部に表示されています。(例700-1050kPaや7bar—10.5bar)各タイヤメーカー、タイヤの種類によって異なりますので必ず確認しましょう。基本的には今回の様に路面が濡れている場合や、悪路の場合は気圧を低い方へ合わせます。また、路面が綺麗で滑る心配がない場合には空気圧を高い方へ合わせる様に考えて頂ければ良いかと思います。

(3)タイヤの状態ですが、これも重要なチェックポイントです。タイヤが減っているか、減っていないかはもちろん重要ですが、タイヤはナマモノと思って下さい。少し大げさですが…。タイヤが減っていなくても風や雨、日光によってゴムが劣化していきます。古い輪ゴムは伸縮性がなくなってすぐに切れますよね。タイヤも同じです。特に前輪は駆動輪ではないのでなかなか減りません。減らないからついつい使ってしまいます。しかし、よく見て下さい。ゴムの部分に細かいひび割れなどはないですか?そうなって来るとそのタイヤが本来持っている性能は発揮されません。そのタイヤはいつから使っているのかを知っておく必要があります。また、使わない時はホイールバックに入れて保管するとタイヤの持ちも違ってきます。そしてレースに使うタイヤは、減っていなくても1年に1回は新しいモノに交換したいですね。また新品のタイヤは少し走って一皮剥いてからレースで使いましょう。まったく使用していないよりグリップ力が増します。タイヤに自分の命を預けて走っていると思って下さい。日頃から要チェックです 。


今回はタイヤの話がメインになってしまいましたが、安全にコーナーを曲がる基本は、
安全な速度まで減速自転車を倒し込む外側の足で踏ん張る目線は自分が進む方向です。そしてプラスα今回のタイヤのセッティングになります。
次回のマトリックスのイベントはCリーグ長良川クリテ!!長良川のコースも滑りやすい所があります。是非今回のセッティングを試して下さい。空気圧の変更だけでも走行感は変わってきます。転倒事故ゼロを達成できるようにこれからもよろしくお願いします。