

今年もまた、ツアー・オブ・ジャパンと日程が重なり、マトリックスからは5名だけの参加となりましたが、愛三工業レーシングチーム、イナーメ・アイランド信濃山形そしてシエルボ奈良の選手が献身的に参加者の皆さんと走ってくれました。また、ちゃりん娘、梅丹ガールは自転車ブームとはいえ、まだまだ男性の参加者が圧倒的に多い会場に花を添えて頂き、彼女等からの声援はゴールへ向けての大きな力になったのではないでしょうか。

さて、レースの方ですが、土曜日は朝から風が強く、向かい風ではペダルを踏んでも前に進まないという状況で皆さんを苦しめたと思います。また、日曜日はカラッと晴れ渡った天候が皆さんの水分を奪い、特にアタック240や8時間を走っている選手は足が攣ったりしなかったでしょうか? あの天候だと走行していると汗が流れる前に乾くので、汗をかいていないと錯覚してしまいます。また、土曜日のように風があると、ピットで待機している時は涼しく感じるので水分を摂らなくなってしまいます。これが大きな落とし穴で、実際は自分が思っている以上に体の水分は消耗していたと思います。体の水分が不足すると、足が攣ったり、パフォーマンスが低下したりします。この時期は、まだ体が暑さに慣れていないので、気温が夏ほど高くなくても上手な水分補給、そして飲むだけではなくて水を体に掛けるなどして体温調節をしてやることが重要となってきます。ちなみに水分不足になると体はどうなるのか?下記のようなデータがあります。(http://スポーツ水分補給.com/knowledge/performance.htmlより)
・約1%の水分量を失った場合……パフォーマンス低下開始
・約2%の水分量を失った場合……喉の渇きが出る・パフォーマンス低下
・約3〜4%の水分量を失った場合……疲労感・苦しみが発生(脱水症状を自覚する)
・約5%の水分量を失った場合……吐き気・目まいなどが発生(運動を続けられない状態)
体の60%は水分と言われていますから、体重60kgの人で36kgは水分。そのうちの1%(360g)水分が減少するとパフォーマンスの低下が始まるという事になります。僕も気を付けて水分補給しているつもりですが、練習後の体重が1kg〜2kg減っている事はよくあります。わずか1日の練習で脂肪がkg単位で減る訳はなく、腹の中の食べ物では変動するかもしれませんが、おそらくほとんどが水分で変動しているのだと思います。では、何をどれくらい飲めば良いのでしょうか?

次にどれくらいの量を飲めば良いのでしょうか?
まず、運動を始める前から体の水分量を満たしておく必要があります。気温が高いとレースが始まる前から既に水分不足状態になっている場合もありますから、レース1時間くらい前から数回に分けて500mlほど飲んでおくと良いでしょう。レース中は1時間に500ml(ボトル1本)を目安に、そしてレース後はだいたい体重がレース前に戻るくらい飲む事が必要です。いずれの場合も一気飲みするのではなく、数回に分けて(1回あたり100〜200mlを目安に)飲むと良いでしょう。


あと、デキストリンなど(多糖類)を多く含んだエネルギー補給を目的としたドリンクがあります。これを水分補給目的として多量に摂ると消化器に負担を掛けてしまい体が重くなる事があるので注意しましょう。
ダラダラと色んな事を書きましたが、水分補給のポイントとして抑えておきたいところは次の3つです。
・水分補給に適したモノを飲む
・スタート1時間前から水分補給
・レース中は1時間にボトル1本
これから暑い季節を迎えますが、このコラムを参考に乗り切って頂けたら幸いです 。