ロードレース講習会
今年は表彰ステージ前で開催。バイクチェックの方法や走行時の注意点を選手に教わる
スズカ8時間エンデューロでは、レース初心者の方も安全に楽しめる大会を目指しています。その取り組みの一環として続けられているのが、レース開始前の試走時間に合わせて行われる「ロードレース講習会」です。主にレースに初めて参加する方や初心者向けの内容で、走行前のバイクのチェック、安全走行の基本的心得や集団走行の仕方、鈴鹿サーキットのコースの注意ポイントなどを説明しており、毎年100人近い参加者がいます。今年はより多くの方に参加してもらえるよう、会場を表彰ステージ前に変更。150人近い参加者が集まりましたが、大半はレースに初めて参加するという方でした。講師はマトリックスパワータグの選手が務め、ベテラン・真鍋和幸選手がメインで進行。橋本凌甫選手らがサポートに加わりました。バイクチェックは走行中のメカトラブルで転倒したり他人を事故に巻き込んだりしないために重要なこと。バイクを10センチほど持ち上げてタイヤから着地させたときにガタガタ音がしないかのチェックに始まり、ホイールのクイックリリースが正しく締められているか、リアエンドが曲がっていないかの確認を行いました。
安全走行に関しては、橋本選手が「安全走行の基本はよそ見をしないでまっすぐ走ること。特にサーキットはコース幅が広く、センターラインがないので、前を見て走らないとまっすぐ走るのが難しい」と説明。さらに、真鍋選手は「危ないとか怖いとか思うと体がすくんで転倒しやすくなるので、危ないと思ったら何でもいいから声を出して体がすくまないようにすることが意外に効果的」と転倒を防ぐちょっとしたコツも伝授しました。
参加者の一人は「怖いと思ったときに声を出すとよい、という対処法が印象的だった。もしそのような場面に遭遇したらさっそく実践したい」と話してくれました。
MC
昨年と同じMCコウゼンさんと絹代さんのコンビで会場を盛り上げる
レースの模様を実況するだけでなく、スタート前のセレモニーや表彰式、抽選会の司会・進行もこなし、朝から1日大忙しのMC。今年は昨年と同じMCコウゼンさんと絹代さんのコンビが担当しました。MCコウゼンさんは、4年ぶりに8時間エンデューロが開催されたことが感慨深かったそう。「スズカといえば8時間エンデューロ。昨年は6時間エンデューロだったので、ようやく本来の姿に戻ってきたなと。8時間ぶっ通しでしゃべるのは大変でしたが、うれしかったですね」と語ってくれました。レースがスプリント争いで決着するような場面では熱い実況でバトルの熱気を伝え、抽選会では絹代さんと息の合ったトークで会場を盛り上げるなど、硬軟緩急自在のトークでギャラリーを魅了しました。
絹代さんは実況席でのMCにとどまらず、ブースレポートや表彰式の司会進行など、軽いフットワークで会場のあちこちで活動。「今年は初参加と思われる方が多かったのが印象的でした。車種もミニベロやBMXなど多彩で、本当にいろいろな自転車の楽しみ方をされる方がいらっしゃいましたし、幅広い方に愛されている大会だなと改めて感じました。スズカはレースだけでなく、バザールやなどのイベントもありますが、会場で出会った皆さんの笑顔が本当に印象的で、幸せな雰囲気を強く感じられたのがうれしかった」と、これまたうれしそうな表情で話してくれました。
メカニック
レース中のメカトラは最悪命を落とすことにつながるからこそ厳しく対応
サイクルイベントに参加する際は、事前に自分で整備するか、自信のない方はショップで整備してもらうことが重要です。本大会でもレース前に自転車を整備するよう呼びかけています。とはいえ、会場に自転車を運ぶ際や会場で自転車を倒すなどしてエンドを曲げてしまうなどのトラブルが起きないわけではありません。そんな時に心強いのがメカニックの存在。今回はエコサイクルの塩谷隆行さんがメカニックを担当しました。塩谷さんは、会場でのトラブルであることが明らかなケースや初心者には優しく対応する一方、レース慣れしている人が無料であることを理由に軽微な調整をお願いしたり、明らかに摩耗したタイヤで参加しているようなケースには厳しく対応されていたのが印象的でした。この裏には、塩谷さんがお子さまを自転車乗車中の事故で亡くしたことがあるそうです。
「昨年あたりから、大きな自転車のレース中に事故で命を落とすというという痛ましいニュースを耳にすることが続いています。ロードバイクをはじめとするスポーツバイクはスピードも出るし、転倒したら最悪死ぬこともあり得ます。もらい事故や操縦ミスだけでなく、メカトラブルも転倒の原因になり得るので、事前にきちんと整備された自転車に乗ってきてほしいと思っています。自分だけで転倒してケガをするだけでなく、まわりを走る方を巻き込むこともあり得ます。ケガをしたり命を落とすことがあると、家族やまわりの方も悲しみます。どうか事前にショップでメンテナンスしてもらってからレースに来てください」
モバイルラップ一覧チェックサイト「LAP CLIP」
ラップタイムやリザルト速報がスマホで分かるサービスもすっかり定着
ラップタイムや各クラスの順位の途中経過、リザルトが手持ちのスマートフォンなどからリアルタイムでチェックできるラップ一覧チェックサイト「LAP CLIP」。手持ちの端末でいつでも確認できる利便性とともに、選手がフィニッシュラインを通過するとすぐに周回数に反映されるスピード感が特徴で、スズカ8時間エンデューロでいち早く導入。他のレースでもこのサイトを利用するケースも増えており、サイクリストの間でもすっかりおなじみになっています。4時間エンデューロのように、クラスが多く、混走する選手が多いカテゴリーの場合、ライバルチームとのタイム差を調べたり、周回数の確認をするのがなかなか難しいケースもありますが、このサービスを使えば確実にデータが手に入ります。なかなか走行中のチームメイトを見付けられず、ラップクリップで確認したらもう1周走りに行っていたことが分かったり、ラップクリップで順位をチェックして「え、意外に上位にいる!」と思いがけず好位置に付けていることを知る参加チームもありました。他にも、8時間エンデューロの参加チームが4時間エンデューロ終了前後のピットクローズのタイミングに合わせて選手交代のタイミングを計るために活用するなど、各チーム・選手がラップデータをさまざまな用途で活用していました。
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※速報データのため、順位やタイムは修正になる場合があります。