ロードレース講習会

バイクチェックの方法や安全走行のコツを学ぶ講習会。今年は雨のためピットで開催



レース初心者の方も安全に楽しめる大会をめざすスズカ8時間エンデューロでは、レース前に初心者やレース初参加の方を対象に「ロードレース講習会」を行っています。内容はバイクの走行前点検、安全走行の基本的心得や集団走行の仕方、鈴鹿サーキットのコースの注意ポイントなどで、安全にレースを楽しんでもらうためのコツを学び、レース参加前の不安を解消するのが目的です。昨年から表彰ステージ前で行われるようになりましたが、今年は雨が降ったためピットでの開催に。およそ100人が集まりました。

講師はマトリックスパワータグの選手が務め、ベテラン・真鍋和幸選手がメインで進行。橋本凌甫選手や永良大誠選手らがサポートに加わりました。

バイクチェックでは、バイクを10センチほど持ち上げてタイヤから着地させたときにガタガタ音がしないかのチェックに始まり、ホイールのクイックリリースが正しく締められているか、リアエンドが曲がっていないかを確認する方法を学びました。「走行中のメカトラブルで転倒したり他人を事故に巻き込んだりしないために重要なこと」と真鍋選手。

安全走行に関しては、この日雨だったことをふまえて雨の中を安全に走る方法を重点的に解説。コーナーでは外側のペダルを下にし、ペダルにしっかり体重を乗せると滑りにくいことを説明。ブレーキのかけ方について「リムブレーキは雨に濡れるとブレーキレバーを握ってもしばらく効きにくいので、そのことを意識して少し早めのブレーキ操作を心がけて」と呼びかけました。真鍋選手は「走っている途中に転倒している人を見たりスピードの出過ぎたりして怖いと感じると体がすくんでバイクがコントロールできなくなって転倒しやすい。怖いと思ったら何でもいいから声を出して安全に走れるようにバイクをコントロールして」と参加者にとっておきの方法を伝授しました。

スズカ8時間エンデューロでは毎年このような講習会を行っています。レースに出てみたいけれど不安という方はぜひ参加してください。


メカニック

周囲の参加者に迷惑をかけないためにも、事前のメンテナンスや準備はしっかりと!

レースやイベントに参加する前には、トラブルを未然に防ぐためにバイクをきちんと整備することが重要。しかし、試走中に転倒してトラブルに見舞われた——などの緊急のトラブルは、大会のメカニックが可能な限り対処します。今年はエコサイクルの塩谷隆行さんとマトリックスパワータグのチームメカニック・西岳凌吾さんがメカニックを担当しました。

自転車乗車中の事故が増えていることをふまえ、塩谷さんはイベントに参加するにはそれ相応の準備が必要と話します。「今回メカニックに来られた方の中には、事前にバイクのメンテナンスをしていないと思われる方も見られました。自転車は命を預ける乗り物ですし、レースでは自分だけでなくまわりにもたくさんの選手が走っています。自転車の不調は、最悪のケースでは死亡事故につながりますし、まわりの人を巻き込む可能性もあります。そういうケースもあり得るということを頭の片隅において、しっかりと整備された自転車で参加していただきたい」と塩谷さん。

今回のメカニックとしての対応で多かったのは、自転車のキックスタンド外しとのこと。本大会では1本脚タイプのキックスタンドを着けての出走はできませんが、それを知らずに参加した人もいたそう。西岳さんは「大会の車両規定にも、バイクについて使用不可の部品が書かれているので、サイトなどで確認の上、きちんと準備してきて欲しい」と呼びかけました。




モバイルラップ一覧チェックサイト「LAP CLIP」

ラップタイムを確認して次の出番に備えたり、データを作戦に役立てたりするチームも

参加全チームのラップタイム、各クラスの順位の途中経過やリザルトが手持ちのスマートフォンなどからリアルタイムでチェックできるラップ一覧チェックサイト「LAP CLIP」。手持ちの端末でいつでも確認できる利便性の高さだけでなく、選手がフィニッシュラインを通過するとすぐに周回数に反映される情報更新のスピードも魅力です。

スズカ8時間エンデューロだけでなく、このサービスを利用できるレースが増えており、参加者の間でもすっかりサービスは定着しています。チームでのエンデューロの参加者は、「ライダーのラップタイムの推移を見て、あと何分後ぐらいまでに準備したらいいかの目安にしている」と話してくれました。「ラップクリップが登場するまでは走っている選手たちの中から目視で仲間を見付けるしかなかったので、集団に紛れてもう1周走っていることに気付かなかったり、早めに帰ってきて慌てたりすることもありましたが、それが少なくなりましたね」とのこと。

他にも、8時間エンデューロの参加チームが4時間エンデューロ終了前後のピットクローズのタイミングと選手交代のタイミングを調整するのに活用するチームも。皆さん大いに活用されているようです。

LAP CLIPウェブサイトはこちら
※WEB記録証(PDF)が取得できます。タイムの右側「WEB記録証」をクリックしてください。
※速報データのため、順位やタイムは修正になる場合があります。




MC

今年はMCシンジさんとMC CHOCOさんのコンビで会場を盛り上げる



会場のアナウンス、レース前のセレモニーの司会、レース実況、ブースからの中継、表彰式や抽選会の司会・進行と、朝から大会終了まで大忙しのMC。今年はスズカ8時間エンデューロで何度もMCを務めてきたMCシンジさんとこの大会では初めてMCを務めたMC CHOCOさんのコンビでした。

MCシンジさんは、2021年以来3年ぶり6回目のスズカ8時間エンデューロMCを務めました。前回MCを務めたときはコロナのパンデミック直後で8時間エンデューロが6時間で開催されたので、久しぶりに8時間実況できたことが感慨深かったとのこと。「今年はあいにくの雨でしたが、参加者のコメントに『仲間で走れることに感謝』というのがあって、きっと皆さん雨の中でも寒くても走れる幸せを感じながら走っているのだなと思うとうれしかったです」と語ってくれました。

一方、CHOCOさんは本大会では初MCでしたが、かつては参加者の立場で何度もスズカ8時間エンデューロを楽しみ、選手としてはチームで表彰台に立ったこともあるそう。「スズカ8時間エンデューロはトップ選手と一緒に走れて、速い人の声かけも優しいのでみんなが安心して走れる大好きな大会。大好きな大会でMCを務められたのは光栄でした。初心者の皆さんにもっと参加して欲しいです」とうれしそうに話してくれました。

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